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欧州初のCO2ニュートラルな漁港を目指すデンマークの港

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8 3月 2022

ハンストホルム港は、欧州初のCO2ニュートラルな漁港を目指します。Power-to-Xを焦点に設立した新しいエネルギーコミュニティは、主要な漁港が主要なエネルギー港になり得ることを示し、グローバルなパートナーの誘致を促進します。

 

デンマークは北部地域に位置するハンストホルム港は、欧州初のCO2ニュートラル漁港になるための第一歩を踏み出しました。

 

1月3日、デンマークの再エネデベロッパーであるEuropean Energy社と趣意書を締結し、この目標を発表しました。このパートナーシップにより、太陽光や風力に加え、ゼロカーボンモビリティに利用可能なeメタノールと水素を製造するPower-to-Xプラントの設立を共同で検討することになります。

 

ハンストホルム港とEuropean Energy社の目標は、この広大な地域の大部分を、地域のエネルギー共同体に変えていくことです。「Hanstholm Energifælleskab」と呼ばれるこの世界初のエネルギー共同体の実現により、投資家や技術パートナーを招き、港の新しい後背地にグリーンエコシステムを構築することを目指しています。近年の大規模な拡張を経て、ハンストホルム港は130,000m2の広大な敷地で様々な活動を展開していく見通しです。

 

環境に優しい未来のためのゲームチェンジャー

この新しいパートナーシップの目的は、ハンストホルム港がヨーロッパで最も環境に優しく、初のCO2ニュートラルな漁港となる道を開くことです。このプロジェクトでは、地元の産業から出る廃棄物を再生可能エネルギーに変えるという、強力な港湾共生を通じたPower-to-Xに注力していきます。

 

「ハンストホルム港の拡張により、グリーン転換を支援し、グリーン産業から数十億ドルの投資を呼び込み、ハンストホルム港の多くの地元サービス業やティステッド市全体の請負業者などにさらなるビジネス機会を創出できる、それだけのキャパシティを獲得しました。このように、私たちは漁港がエネルギー港にもなり得ることを示し、漁業とグリーンエネルギーの間に強い相乗効果を生み出したいと考えています」と、港湾局長のNils Skeby氏は述べています。

 

今回の発表は、研究者や企業が最先端の試験・実証施設を利用できるグローバルでグリーンな拠点を北デンマーク地域に作ることを目的とした一連の野心的なプロジェクト開発に続くものです。

 

ハンストホルムを超えて広がるポテンシャル

Hanstholm Energifælleskabの設立は、ハンストホルム港の発展だけでなく、地域全体や国のグリーン変革にとっても重要なステップとなります。ティステッド市の未来の市長であるNiels Jørgen Pedersen氏は、この事業によってハンストホルム港が欧州におけるCO2ニュートラルな港湾運営の先進事例になることを期待しています。

 

「Hanstholm Energifælleskabは、港とその周辺でエネルギー資源を供給または消費するすべての関係者に、そのグリーンな取り組みをエコーのように伝播するエネルギー共同体を創りだします。これは、CO2や電力だけでなく、漁業や養殖施設から出る酸素や廃棄物にも適用されます」と将来の市長は述べています。

 

この新開発を支えるパートナーは、漁業と再生可能エネルギーがいかに両立できるかを示す世界的な事例を作り、世界中の港の産業クラスターにインスピレーションを与えるビジネスケースを作り出す構想を見据えます。

 

「ハンストホルム港は、非常に意欲的なエネルギービジョンを打ち出しており、私たちはHanstholm Energifællskabの実現に向けてパートナーとなることで、ハンストホルム港の事業分野としての再生可能エネルギーの開発に貢献するだけでなく、未来のグリーンエネルギーの在り方を港利用者に提供できる大きな可能性を秘めています」と、European Energy社のCEO兼創設者のクヌード・エリック・アンダーセンは述べています。

 

写真は © Christian Faber

ビーチはデンマークのハンストルムにあります