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上下水道事業でクライメイト・ニュートラル*を目指すデンマークのマスタープラン

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15 4月 2020

水の利用は、気候変動の影響を最も受ける部門である一方で、既存技術の活用で大幅なCO2削減が見込まれる部門でもあります。メッテ・フレデリクセン首相が打ち出した13の「気候パートナーシップ」のひとつである「サーキュラーエコノミー(循環経済)・水・廃棄物部門パートナーシップ」は、この度デンマークの上下水道事業を2030年までにクライメイト・ニュートラルにするというマスタープランを策定しました。

マスタープランでは、クライメイト・ニュートラルを達成する策として最も有望なのは飲料水供給施設、及び排水処理施設における革新的な技術の採用だとされています。これは例えば、強力な温室効果ガスである亜酸化窒素(N2O)の回収や、水循環システムのエネルギー効率化、施設の集約化による効率的な汚泥由来バイオガス生産などを含むものです。そのほか、水部門に直接かかわる施策ではないものの、オフセット(発生する温暖化ガスの相殺)の手段としての排水からの熱を利用した熱生産・植林などが検討されています。

*クライメイト・ニュートラルとは、製造工程などで排出される温室効果ガスの純排出総量をゼロにすることを指し、 温室効果ガス排出量自体を可能な限り削減し、残る排出量については植林・森林保護・クリーンエネルギー事業 (排出権購入)による削減活動等によって「他の場所」で直接的、間接的に吸収しようとする考え方や活動を指します。

日本国内ではカーボン・ニュートラルという用語もよく使われていますが、カーボン・ニュートラルはCO2を対象とする 一方で、クライメイト・ニュートラルはCO2だけでなく他の温室効果ガス(亜酸化窒素、フロンガス等)も対象とします。

 

出典(英文):

https://stateofgreen.com/en/partners/state-of-green/news/danish-masterplan-for-climate-neutral-water-sector-could-lead-to-huge-global-co2-reductions/