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60戸の住宅を再利用可能な素材で建築

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29 3月 2018

ユトランド半島北部・オーフス近郊の町Lisbjergで、60戸の循環型公共集合住宅が2020年4月までに完成する予定です。この住宅に使われる建材の90%は、将来的に住宅を解体した際にも価値を失うことなく再利用が可能です。例えば、窓ガラスは別の家の窓として、柱も別の建物で再利用できるようになっています。Circle Houseと呼ばれるこのプロジェクトは、モデルプロジェクトとしてデンマーク環境保護庁のエコ・イノベーション・プログラムであるMUDPから約94万ユーロ(約1.2億円)の資金提供を受けています。

「現代社会では素材のリサイクルが大きな課題となっています。廃棄物が増え続け、常に新しい建材が必要になる今の方法では、環境的にも経済的にも負担が生じます。つまり建設業界の持続可能性を向上させることは理にかなった対策なのです」と非営利デベロッパーLejerboで建設と開発の責任者を務めるGerti Axelsen氏は言います。

デンマークでは廃棄物全体のおよそ30%を建設廃棄物が占めています。他国に比べれば建設廃棄物のリサイクル率は高いものの、窓ガラスを溶かしてガラス瓶にしたり、取り壊したビルのコンクリートを粉砕して道路の材料にするなど、質の劣る素材へ再生される場合が大半です。

Lejerboが中心となって進めるこのプロジェクトには、コンクリートやガラスのメーカーから建築家、起業家、ビル解体業者まで、デンマークの建設業界をリードする20社以上が参加しています。

「循環建築を単なる“トライアルの成功例”で終わらせず、“一般の市場条件で通用する総合的な技術ソリューション”へとレベルアップさせるためには、フルスケールのプロジェクトが必要だと考えました。Circle Houseは、デンマークの建設業界がプロジェクトのすべての段階で資源循環への配慮を実現できることを証明するでしょう。今後はLejerboは循環型の建設プロジェクトを増やすことを目標としています」とGerti Axelsen氏は語ります。

プロジェクトの総予算は約22.8億円。オーフスとコペンハーゲンで展示するモデルルームを建設することが最初のステップとなります。

出典:https://stateofgreen.com/en/profiles/state-of-green/news/60-homes-built-from-reusable-materials (英語)  Environmental Protection Agency (デンマーク語)