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世界銀行が「デンマークはグリーンエネルギーのリーダー」と宣言

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22 3月 2017

100点満点の評価で、デンマークは「エネルギーへのアクセス」で100点、「エネルギー効率」で86点、「再生可能エネルギー」で94点をマークしました。全体では第1位の94ポイントを獲得し、3ポイント差でカナダと米国が続きました。

「持続可能エネルギーシステムの枠組みについて、デンマークが再び世界最高の評価を受けたことを大変誇りに思います。デンマークのエネルギーシステムは、昨年秋にも世界エネルギー会議から世界最高と認められ、今回世界銀行の大規模な分析によってこれが再確認された形です。デンマークの優位が証明され、政府もこれを維持する決意です」とLars Christian Lilleholtエネルギー・公益事業・気候担当大臣は述べています。

「エネルギーへのアクセス」に関する指標は、電化計画の存在と監視、同計画の対象範囲、電力系統/ミニグリッド/独立型システムの枠組み、消費者の電力購入能力、公益事業の透明性と監視、公益事業の信用力です。

「エネルギー効率」の指標は、国のエネルギー効率化計画、エネルギー効率化推進組織、消費者への情報提供、大規模消費者/公的セクター/公益事業への義務とインセンティブ、エネルギー効率化のための融資メカニズム、省エネ性能最低値基準、エネルギー表示システム、建築物のエネルギー規定、カーボン・プライシングです。

「再生可能エネルギー」の指標は、再生可能エネルギーの法的枠組み、拡大計画、インセンティブと規制によるサポート、財政・規制によるインセンティブの特性、ネットワーク接続と価格、取引先リスク、カーボンプライシングと監視です。

政府はグリーン国家の地位を維持する方針

1970年代のエネルギー危機以降、デンマークはエネルギー効率化と再生可能エネルギーへの移行を目指してさまざまな政治的な決定を行い、再生可能エネルギーに大胆に投資してきました。デンマーク政府は今後もグリーンエネルギーへの移行に向けて野心的な目標に取り組む方針です。2017年には、新たに多数のイニシアチブが提案される見通しです。

「数ヶ月以内に、政府のエネルギー委員会が2020年以降のエネルギー政策案をまとめる予定です。これをもとに、私たちは秋に提出する積極的なエネルギー新計画案を作成します」とLilleholtエネルギー・公益事業・気候担当大臣は言います。

政府はデンマークのエネルギーシステムが今後も世界トップの座を維持できるよう、グリーン転換に向けた高い目標を設定しています。

「政府は拡大が続く再生可能エネルギーをコスト効率良く利用できる、欧州でもっとも統合され、柔軟性の高い、市場志向のエネルギーシステムを構築できるよう努力していきます」と同相は述べています。

日本は82ポイントを獲得

一方、同調査で日本は82ポイントを獲得しました。日本は「エネルギーへのアクセス」では100ポイントを獲得しましたが、「エネルギー効率」は68ポイント、「再生可能エネルギー」は78ポイントでした。OECDの高所得国の中で、日本はフィンランド、オーストラリア、オーストリア、スペイン、スウェーデンと同点でした。

• 世界銀行の報告書「Regulatory Indicators for Sustainable Energy(RISE、持続可能エネルギーの規制指標)」は、世界各国が再生可能エネルギーへの移行をどの程度サポートしているか、またサポートを実行に移すためにどのような行動をとっているかを総合的に分析しています。報告書は世界人口とエネルギー消費量の90%以上をカバーする111カ国を対象としています。

• 2015年、デンマークのエネルギー輸出額は714億デンマーククローネにのぼりました。国の財貨総輸出額に占めるエネルギー関連技術の割合は11.1%と、EU加盟国中1位でした。デンマーク産業連盟(Confederation of Danish Industry)の予測によると、2015年のCOP21パリ協定を受け、デンマークのエネルギー輸出額は2030年に 1,250 億デンマーククローネ(約2兆円、1デンマーククローネ=16円)に達する可能性があります。