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ブラックからグリーンへ:オーステッドの変遷とそれを可能にした枠組み
デンマークのオーステッド社は、現在洋上風力で世界最大のシェアを誇る企業ですが、元々は国営の石油・ガス会社で、その名はDanish Oil and Natural Gasから頭文字をとってDONG Energyでした。過去10数年にわたって石炭・石油などのブラック・エネルギーからグリーン・エネルギーへの移行に取り組んできたオーステッドは、2020年には株価が80%増加するなど、順調な成長を見せています。
今回新たに公開されたレポートでは、オーステッドの変遷、直面した課題や得られた教訓について焦点をあてます。主たる結論は明確で、「正しい規制枠組みさえあれば、エネルギー会社がグリーンエネルギーに移行することは、可能であるだけでなく、競争力や利益を維持し続けていく上で不可欠である」と述べます。
レポートによれば、グリーンエネルギーへの移行において重要な要素として、エネルギー計画、実証プロジェクト、経済インセンティブ、競争、許認可やリスク低減等が挙げられます。またエネルギー計画については、1)長期視野であること、2)透明性があること、3)安定的であることに加え、4)具体的な規制改革による支援がなされることが望ましいと述べます。
エネルギー会社に対しては、持続可能なビジョンを創ること、化石燃料からの撤退戦略を構築すること、再エネへの参入戦略を構築することが必要とし、それぞれについて具体的な提案を整理しています。